☆☆☆☆☆明石の姐御日記☆☆☆☆

主にガンバ大阪とか。

駒野選手とその母

祈るように息子のPKを見つめていた母友美子さん(54)は声を失った。試合終了後、涙をぬぐい、最初に振り絞った言葉は「しょうがないですよね。ここまでよく頑張ったと言ってあげたい」。画面には目を真っ赤に腫らした駒野選手の姿が映っていた。

 そして、友美子さんは「みんなに申し訳ない。本人が一番悔しいと思うけれど、よく戦った。皆さん応援ありがとうございました」と言った。

 「ありがとう」「よくやった」。会場を後にする友美子さんに、400人のサポーターが大きな拍手を送った。


http://www.asahi.com/national/update/0630/OSK201006300045.html


この記事にある和歌山市内のPV会場にはTVカメラも入っていて上記のインタビューの様子がテレビでも流れました。
そのことで、「なんというひどいインタビューをするんだ」と非難の声がネットで上がり、しまいには特定のキャスター名番組名で創作されたデマまで飛び交う始末。*1
 
これをひどい、と思う根拠は「駒野選手は悪くないないのにお母さんまで謝らされた」という気持ちなんだと思います。
優しい人ほど、「これが本当ならゆるさん!」と頭に来たんじゃないかなと。
 
でも、わたしは違う感想持ちました。
 
男の子を産んで育てたなら1回や2回はご近所や同級生の家に「うちの息子がすいませんでした。申し訳有りませんでした」と謝罪に行った経験があるはず。
わざとじゃなくても、遊んでて相手が怪我したとか、他人の物を壊したとか。
「わざとじゃないからうちの子は悪くないからね!謝ったりしないわ!」という人もいるかも知れないけど、それは流行りのモンスターなんとかと思われる人たち。
たいていは「うちのこのせいちゃうやーん」と思ってても頭下げに行きます。
たいていは相手もわかってて「そんな頭下げないでください。うちの子もやんちゃですから」で済みます。
 
試合後の駒野選手のお母さんもそんな気持ちだったんじゃないかなーと思いました。
 
勝手な妄想をふくらませると、 
「友一、お母ちゃんが謝っておいたいたさかい心配ないで。はよ帰っておいで。今日はすき焼きやで」
 
こんな感じじゃないんでしょうか。
 
立派に成長した息子の晴れ姿を見て誇りに思う母が、息子やチームメイトを慮って頭をさげるのはけっして屈辱ではないと思います。
息子の活躍を誇りに思えばこそ、乗っかって驕ること無く、謙虚に頭を下げたのは、誰かに無理やりやらされたひどいことでも屈辱的なことでもなく、母としての美徳なんじゃないでしょうか。
 
ひどいことをするマスコミ、という視点ではなく、素晴らしいお母さんという視点からこの記事や映像を見るとまた違うものが見えてくると思います。

*1:ここに詳しく書かれています。http://d.hatena.ne.jp/fut573/20100630/1277897800