☆☆☆☆☆明石の姐御日記☆☆☆☆

主にガンバ大阪とか。

いまさら読んで良かった本。その2

二川選手がよそのものになってしまった心の空白がまだ埋められません今日このごろ。
こんばんは、皆様はいかがでしょうか。

藤春選手、井手口選手、リオデジャネイロ五輪日本代表選出おめでとうございます。
藤春選手は不思議な力をお持ちなので、しれっとメダル持って帰ってきそうな気がします。
井手口選手は最年少だけど1児の父。おとうさーんです。きっと大活躍してくれると信じています。2人とも怪我だけはせんようになー!

さて。
表題の件。
このブログを再開したのもこの本を読んだ感想を書きたかったから、と言ってもいいくらい。

通訳日記 ザックジャパン1397日の記録 (Sports Graphic Number PLUS)


矢野大輔著「通訳日記 ザックジャパン1397日の記録」です。

ザッケローニ元日本代表監督の通訳矢野さん(イケメン)の書いた2010年からブラジルワールドカップが終わるまでの記録です。ノンフィクション。ドキュメンタリー。

まずこの本、2~3ページに1回くらいザッケローニの名言があります。毎回メモしながらよみたいくらいの名言の宝庫。

ちゃんとメモってまとめてる方がいたのではっておきます。
http://asaban.blog.jp/archives/1050016933.html

矢野さんにザッケローニが日本代表監督に内定し、数人の通訳候補のひとりだと知らされ、ザッケローニ本人から「用意はできてるか?」と連絡が来るとこからはじまります。

すべての日々を載せてるわけではないので、基本的には
・代表の試合にあわせて選手を召集し、最初のミーティングでザックの話したこと
・練習でのザックの指導
・選手と話したこと
・試合の経過と結果
・解散時のザックの話
が繰り返されていきます。

この代表の練習が私の想像してたのと全く違ってました。
すごく細かく、パスを受ける身体の向きや選手間の距離、パスの出しどころ、受け方など指導、練習。
そして選手ひとりひとり細かくアドバイス。技術だけでなくどうしたら伸びるかとか海外で生き残るためここを伸ばせとか。

私はスポーツの経験が全くないので、戦術って言われても全くわからなくて、ふーん、へー、わからんわで済ましてましたが、この本読んで、「ああ、こう言うのを戦術って言うてるんや」、「勝つためにこう考えてるんや」みたいなことがぼんやりとながらわかりはじめて、すごく面白かったです。

読み進めていくと、日記なので、編集が入ってるとは言え、意識してそうしたわけではないのでしょうが、起承転結らしきものが見えてきまして、
アジアカップ優勝。これは長谷部誠の「心を整える」の最終章と重なっているので、両方読んでるととても面白いです。
承 ブラジルワールドカップ最終予選、出場決定。

で、このあたりにくると、いわゆる犯人や結果がわかってる倒叙ミステリーのような気分になってきます。ブラジルワールドカップでは1勝も出来ず敗れ去たことはわかってるので、こんな順風満帆なのに…と。

いまさら読んで良かったというのはここで、この本が出てすぐ2014年の暮れに読んでたらやっぱり犯人探しのために読んだと思うんですね。生々しく。
でも、ザックが去りアギーレも去り、ハリルホジッチで苦しみつつ形になってきた今だと犯人探しより過去の記録、記憶として客観的に読めたなと思います。

転 いわゆるミンスクの夜。本田が監督に異を唱え、ザックが珍しく感情的になる、このあたり。 でも本田が犯人じゃないからね、早とちりしちゃだめ。

結 ブラジルでの敗戦。

敗戦で終わるんだけど、ものすごく爽やかな気持ちになる終わり方。
中にはそうでない人もきっといると思いますが、そこは読んで確かめてください。

出てくる代表戦すべてああそうだったと見た覚えあるのも良かった。
ちゃんと代表戦も見ようって改めて思います。

あとガンバサポーター的には、橋本英郎が誉められてたり、家長や宇佐美にしたアドバイスがあったり、遠藤が重要な人物として出てきたりします。
HHE(本田・長谷部・遠藤)会談は何回も出てきます。
遠藤が「やってみないとわからない」って答えるとこなんか夜中に爆笑してしまいました。

興味のある人はロシア最終予選前のこの時期に読むのが最適じゃないかなと思います。私は代表に対する見方がかなり変わりました。

図書館で借りて読んだんですが、なんかの拍子にザッケローニの名言を読み返したいなと思うこともあるので、買って手元に置いておこうかなと思っています。